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2006/12/16(Sat)

パプリカ (200612/14) 今敏監督)

 仙台へ夕方からの仕事があったので、帰り道にシネコンへ。 最初は007を見るつもりでしたが、今監督のパプリカが上映され ていたので、これを見ることに。ネタバレは無しですが、劇場で 見る予定がある人は読まない方がよいかも。

 まずの感想は「割と話がシンプルで判りやすかった」です。 見ている人間を置いてけぼりにするのが得意技の今監督ですが、 冒頭から飛ばしてくれるかと思いきや、割とそうでもなかった。 夢がベースの話だけに、不条理や不連続が当たり前なのかな、 とも思いますし、見ている方が監督の演出方法に慣れてきたの かもしれませんね。でも、東京ゴッドファーザーズよりは適度に視聴者を振り回してくれるのが心地良い。

 最近のアニメを見ていて思うのですが、ハリウッド実写映画が、アニメ<特に、押井、河森作品>の カメラワーク(アングル)に刺激されて、CGを駆使してとんでも ない画面をとんでもない情報量で作り出している のに対抗するには、イノセンスや千と千尋みたいに実写に迫る (実写以上?の)情報量で攻めるか、時をかける少女のように画面情報量を 制御した世界で攻めるか、どちらかなんでしょうけど、このパプリカでは、 この両方の手法を同時に取り込んでいる野心的な画面作りをしている と思いました。これが好感触。オフィシャルサイトによると今監督は 今回のはったりをきかせた表現スタイルを「チンピラ」と例えている そうですが、その試みは成功したと思います。最近のジブリ作品は、 ハリウッドなら実写化してしまうくらいのかっちりした画面作り ばかりですが、このパプリカを実写で作るとなると、一筋縄では いかないでしょう。アニメ作品だからこその説得力を画面が持ってます。 素晴らしい。
 また、演出の要所要所で他アニメのパロディーが外連味的に 散見(特に宮崎作品)されているのも面白かった。 カタカタカタッと コダマが首を振るとか(笑)

 音楽は平沢進。シンセバリバリの曲はすっかり今監督作品の 色になっているかも。若干クライマックスでの重厚感が不足し ていたような気もするけど。

 そして、今監督にしては初めてじゃないの?と言うくらい 豪華なベテラン声優人による演技も、これまた良い感じでした。 最近、役者や新人を主役級に据えるジブリ作品とは対極ですねぇ。 しかし、主役の林原さんの声だけは、聞いてるそばから綾波レイや フェイバレンタインが思い出されて、画面のキャラクターと合致し なかったなぁ。残念。

 夢がベースのドタバタ劇なのに、ラストはきっちりとまとまって、 大団円。いやぁスッキリ、と感じて劇場を去ることが出来るのは、 素晴らしいですね。最近は、謎を残しすぎの作品が多いので。 こういう点ではハリウッド的かも。満足。監督の前作「妄想代理人」 は、劇場作品ではなく、12話くらいの作品だったので、途中で見ていて 飽きてしまって止めちゃいました。今監督は、シリーズ物よりは 100分を走りきって逃げ切る作風が合っている気がします。

 筒井康隆の原作は、東京時代に読んだ筈なのですが記憶に なかった。もう一回読み直してみようかしらん。

以上、個人HPからの転載でした。
パプリカの原作の文庫本は買っちゃいました。

by Canno | 2006/12/16 02:24:27 | 映画見ました | comment(0) | trackback(0)
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